第6回ヴェストワンカップ 自戦記
RMU所属の内田智と申します。
この度は自戦記を書かせていただける機会をくださいましてありがとうございます。
この場をお借りして、予選から本戦までの戦いを振り返ります。
【関東プロ予選 2020年2月11日】
九段下の麻雀店・ノーブル様にてこの予選に出場したところから始まりました。
参加者22人中、予選通過となるのはわずか5人。
最終5回戦、3着目で迎えた最終局(親番)に18,000をあがり、順位をふたつまくりトップとなりました。22人中3位で通過しました。
【本戦一日目 2021年5月29日】
戦う前に「今日の勝利条件は16人中上位4人に入ること」と自分に強く言い聞かせました。
Hブロック
1回戦。
中村一プロ(協会)、富永修プロ(協会)の速度に追いつけず。
金田大生さん(アマチュア)の大物手に太刀打ちできず、何もできず、▲49.7のラス
2回戦。
初戦でラスを引いてしまったので、「もう二度とラスは許されない、絶対に50,000点くらいのトップを取って最低でもトータルをプラマイゼロにしなければ敗退、未来はない」と臨みました。
先制両面最速聴牌を目指して、リーチを繰り返しました。
+50.5の1着
トータル+0.8になりました。
3回戦。
始める前に「ここで大きく素点を稼がなければならない、3着4着では敗退だろう」と背水の陣で臨みました。
僅差の大接戦となり、317の1着。
ここまで+32.5
4回戦。
3着目で迎えた最終局。2着目と8,000直撃なら順位をまくれる状況でした。
⑦⑧⑨をチーしてオタ風ポン。ドラ②を引き入れてこの形になりました。
①③④⑤⑥南中② チー⑦⑧⑨
ホンイツイッツードラ1の単騎待ちに。生牌の中と場に一枚切れの南を持っていました。序盤からある中が場に出ないことから山にはないと判断して迷わず中を河に置き、枚数の少ない南単騎にしました。
次巡対面が仕掛け、手の内から南を切ったところをロン。
8,000を2着目から直撃して2着をまくりました。
5回戦の卓組はこちらの卓が
竹内元太プロ(最高位戦) +59.8
富永修プロ(協会) +53.1
内田 +44.6
押谷勇輝さん(アマチュア) +31.4
勝ち上がれる者はジャンプアップ者を除いて、残り3名。
別卓もポイントが僅差のため、私は卓内で総合トップのポイントを取ろうという目標にしました。
また、竹内プロと富永プロより着順を上にする必要がありました。
38,000点のトップ目で迎えたオーラスに押谷さんが24,000を決めて、トップをまくられました。
+18.0の2着となりました。別卓の状況が味方して、Hブロックをぎりぎり4位通過となりました。
【2021年5月30日 ベスト48】
Bブロック
この日は16人中5人が勝ち抜けでした。前回より通過者が1人多いので、前のめり感を少し緩めて安全に戦おうと決意しました。
1回戦。
何もできず。渋々215の3着を受け入れました。
▲18.5
2回戦。
松本吉弘プロ(協会)の迅速な仕掛けに対応できず。224のラス。
▲37.6、トータル▲56.1
3回戦。
ここで最低でも561以上のトップを取らなければ敗退と思いました。
村上淳プロ(最高位戦)とのリーチ合戦となりました。
無筋を何度も切り、ダマの満貫聴牌もすべてリーチしました。
714のトップを取れて、+71.4、
トータル+15.3pとなり、暫定的に5位に浮上しました。
4回戦。
丁寧に打ち、341の2着。
+14.1、トータル+29.4で暫定5位。
5回戦の卓組は
松本吉弘プロ(協会) +118.0
内田 +29.4
熊谷聡一さん(アマチュア) +28.9
村上淳プロ(最高位戦) ▲4.9
残りの枠は4。
別卓の展開にも左右されますので、なるべくトータルポイントで卓内1位になりたいと決意しました。
卓内1位は、私が松本プロにトップラスを決められれば可能性はあると思いました。
さらにポイントの近い熊谷さんには直撃で振り込んではいけない、という思考で臨みました。
村上プロは大きく浮上するのを目指して打ってこられることを警戒しました。
幸いにも3000/6000をあがるなどトップを取れました。
着順は、内田>熊谷さん>村上プロ>松本プロ、となり、卓内総合ポイントで1位を取れました。
ベスト48、Bブロックを総合3位で通過しました。
【2021年6月5日 ベスト16】
今回は16人中4人が通過。前回より枠が一つ減りました。メンバーはアマチュアの強豪と各団体のトップクラス、タイトルホルダーとなりました。
6回戦勝負なので、つらいときでも辛抱して我慢すれば勝機は来るかもしれないと決意して臨みました。
1回戦。
谷井茂文プロ(RMU)の追い上げに耐え、トップの松本吉弘プロ(協会)に追従する形で2着。
+13.3
2回戦。
将王木村和幸プロ(麻将連合)、最高位醍醐大プロ(最高位戦)、前最高位坂本大志プロ(最高位戦)との対局。
木村プロへの12,000放銃もあり1着目2着目と大きく離された最終局、3着目の私が一つ仕掛けていたところ、4着目の坂本プロから先制リーチが飛んできました。点棒状況から考えますと1着目2着目はオリるでしょう。私は坂本プロにツモられたら当然まくられると判断しました。
私はここが勝負所と考えました。このリーチにふりこんでラス落ちしたら、敗退することを覚悟しました。
攻めるしかありません。リーチ後にツモ切りされた8pをポンして、中トイトイの構えに。ドラの北単騎にしました。やがて北もツモ切られ、8,000の直撃のあがりで3着ながら素点をアップさせました。
3回戦。
+12.8
4回戦。
+14.9
5回戦。
友添敏之プロ(最高位戦)の先制リーチにダマテンで押し、ツモピンフイッツードラドラの3000/6000をあがれたのが決め手となりました。
+57.5
トータル+88.6
6回戦。
振り込まないように丁寧に素点をキープしようとしました。
400の2着で+20.0
トータル108.6で2位通過、決勝進出を決めました。
【2021年6月6日 決勝】
1回戦東1局が全てです。
終盤で小山直樹プロ(最高位戦)のリーチを受け松本吉弘プロ(協会)が、安全牌の3pではなく6pを勝負しました。
次巡、松本プロがハイテイで2pをツモ。400/700のあがりです。打点は低いものの2pがまだ山にあるからハイテイでツモるかもしれないと判断された大変深い思考に感服しました。
私は、松本プロ、小山プロ、矢島亨プロ(協会)と比べて考えている深さが足りていないと痛感いたしました。
決勝はこの局面が全てでした。ここまで技術力の違いを見せられてしまうと敗北です。
決勝直前までで、暫定1位の松本プロと200.8ポイント離されてしまいました。
他の局も今自分ができる努力や工夫をしたところはありましたが、完敗でした。
決勝戦の詳しい内容につきましては雀サクッ様のYouTubeチャンネルにてご覧くださればと存じます。
改めまして松本プロ、優勝おめでとうございます。
【総括】
本戦は2週連続4日間の戦いでした。
所作等で至らない点も多く、同卓者の皆様に大変ご迷惑をおかけしたことをお詫びします。
来年度のヴェストワンカップにおける準々決勝(ベスト48)のシードをいただきました。
今後また練習をしまして、自分に自信が持てたら、さらに自団体に相談しまして「出ても良いよ」と、判断されたなら再び大阪に戻って来たいと思います。
最後になりますが、
主催・運営の麻雀普及委員会の皆様、
協力麻雀プロ団体の皆様、
マツオカ株式会社様や雀サクッ様など協力団体・企業の皆様、
アマチュアの強豪の皆様、
普段私に接してくださる皆様に心より感謝いたします。
本当にありがとうございました。