ヴェストワンカップ【WEST ONE CUP】西日本最大級メジャー麻雀大会 ベストワンカップ

(ヴェストワンカップ/ベストワンカップ)

WEST ONE CUP決勝戦 自戦記 【玉利 一】

関西で完結する、初めての大規模な麻雀大会「第1回WEST ONE CUP」。

全国各地での店舗予選に参加する一般参加者、さらに各協力プロ団体からの参加プロ選手など合計約1000名を超える参加者で競われるオープン大会。

私がこの大会に最初に参加したのは、2015年2月22日に開催された関西プロ予選。

プロ予選のシステムは、赤が入っていても赤ナシでお馴染み最高位戦ルールで半荘4回戦を戦い、4回戦終了後上位20名が5回戦へ。5回戦終了後上位8名が本戦へ進出となる。

1回戦目3着。2回戦目2着。3回戦目4着。5万点トップ取れればギリギリ5回戦へ進出できるかも…といった感じの4回戦も同点2着と、早々と足切りにあい、予選敗退。

しかし今回の大会がプロ団体主催の大会と違い素晴らしいところは、プロ予選に敗れても店舗予選からの本戦出場を目指せるという点。これまでの大きな大会といえば、プロ団体に所属することで予選も1回勝負、予選の参加費も倍近い、デメリットばかりが目立つことが多かっただけに、このシステムは是非第2回大会以降も続けて欲しいものである。

プロ予選に敗退した私は店舗予選のスケジュールを見つめ、参加できそうな予選に目星をつけたりもしていたのだが、もろもろあって最初に参加したのは4月19日のミラージュ店舗予選。1回戦4着、2回戦2着、4回戦4着、4回戦2着。予選敗退。

またも惨敗で予選敗退したのだが、しかしまだまだ諦めず、お次は5月10日のまーじゃんエサカ店舗予選。1回戦2着、2回戦1着、3回戦目3着、着順だけ見るとあんましイケてない感じだが、全て原点超えで素点を叩いていたので、最終戦はトップ条件。

で、気合い十分で臨んだ4回戦目は…3着。これまた予選敗退。

しかしまだまだ諦めの悪い私は、自身最後の予選として5月17日のミラージュ店舗予選に参加。

1回戦目、4万点超えの2着。2回戦目、最後に3着目の放銃による棚ボタ3着。またあんまりイケてない感じだったのですが、3回戦目に大きなトップを獲り、最終戦をトータル2位で迎える。そして最終戦も無事トップで対局を終えて、トータル2位でフィニッシュ。店舗予選3回目にしてようやく本戦への出場権を獲得できたのです!

是非ね、今回1回の参加で諦めてしまった人は、第2回大会は通るまで予選に参加する情熱を持って臨んでみて欲しいです。きっとね、その後に麻雀の神様からのご褒美が待っていますから…。

5月30日。本戦第2会場「大三元」。Dブロック、Eブロック、Fブロックの対局がここで行われる。

会場に続々と選手が集まってくる。同じ最高位戦関西本部の選手や、他団体所属の関西のプロ、そして店舗予選で顔を合わせたことのある方たち。しかしひと際目を惹くのは、小林剛プロ、木原浩一プロ、伊達直樹プロ、土子貴智プロ、近藤千雄プロ、といった関東からやってきたビッグネームたち。緊張感が高まってくる。

しかし1回戦目にトップを取れて少し落ち着けるかな…と思った2回戦目にラスをひいて、素点でマイナスへ。

だが、むしろこのラスで背水の陣気分になれて、ここからトップ、トップ、2着、2着で翌日のベスト48へ進出!

ベスト48からは雀王・鈴木たろうプロ、将王・清水英二プロ、RMUチャンプ・多井隆晴プロ、そして最高位・村上淳プロが特別シード選手として出場する。システムとしてA~Cブロックの3ブロック各16名に分かれ、総当たりの5回戦を戦うということは、必ずこの現役タイトルホルダーの誰かと対局が出来るということだ。そのことが何より嬉しかった。

5月31日、「大和クラブ」。自分の居るCブロックには、スーパーデジタル小林剛プロ、BIG1カップ優勝の楠橋思プロなど錚々たるメンバーに加え、特別シード選手が2名入ることが決定していた。さすがに興奮を隠せない。嬉しさでついつい口元がニヤけてくる…。

特別シード選手が参加ブロックの抽選を行った結果、最高位の村上淳プロと、RMUチャンピオン最速最強の多井隆晴プロが同じCブロックとなった。

1回戦目。多井プロと小林剛プロ、ビッグネーム2名入り卓でいきなり対局。めちゃくちゃ嬉しい反面、もうちょっと緊張がほぐれてからが良かったなぁ…と思ったような気がする。

3着、3着、1着、3着、崖っぷちで迎えた5回戦でトップを取れ、最終6回戦へ現実的な条件を繋いだ。

ボーダー直下の6位、+35,4ポイント。ボーダーに位置する5位の中村プロは40,1ポイント、7位の松本プロは31,4pt、それぞれ別卓のこの3名の内、トップを取った者が5位で通過となる感じかな?と思って6回戦目の対局へ臨む。

同卓者、最高位・村上プロは+100,7ptでほぼ当確ポジション。楠橋プロは-4,6ptで普通のトップだと別卓の結果待ち、出来れば大き目のトップが欲しいところか。蒼樹プロは-50,9ptで、とにかく大きなトップを目指すと。

東4局。楠橋プロのリーチ、親番村上プロのダマ押しに対し、国士無双の聴牌打牌で2人に通っていない5pを勝負して、村上プロに12000の放銃。時間打ち切りがある対局なので2回目の親番が回ってくるかどうかも怪しいこの状況での、この放銃。ここで私のヴェストワンカップは終わるのか…と「敗退」の2文字が一瞬頭をよぎったが、次局。立直 一発 門前清自摸和 タンヤオ 三色同順 裏2 の4000/8000をアガって一撃で戦線復帰!

しかしそこから楠橋プロの猛攻が始まり、卓内順位で上にいかれてしまう。

南3局。時間打ち切りの最終局。ドラの白が切られゆく中、ツモが七色の輝きを魅せ、タンヤオ確定、一盃口完成の両門・嵌張の一向聴に。そしてズボっと嵌7pが埋まってタンピンイペリコ豚の聴牌が入り、リッチ!

一発ツモ裏2の8000オールならトップまであったが、残念ながら自摸裏ナシの4000オールまでで、2着まで。卓内順位では村上プロに次ぐ2番手となったが、あとは別卓の結果待ちとなった。

そして発表される、最終結果。

「Cブロック5位 玉利一」

3か月前、プロ予選で惨敗。自らの未熟さを痛感し、5回戦を観ることも出来ずに泣きながら帰った男が、ベスト16へと駒を進めることが出来たのだ。

雀荘勤務など麻雀を生業にしている方たちに比べ、圧倒的に打ち込みの量が足りていない。麻雀打ちとして成長していく過程において、打半数がとても大切なことも理解しているつもりだし、それが欠けていることも重々承知している。未熟さも自分のことが嫌になるぐらいに理解している。しかしそんな中でも、仕事以外の時間の殆どは麻雀に関することに費やしてきて、情熱だけは負けない自負も秘かにあった。

だが、「情熱だけで勝てたら苦労せんわい!」というのが現実であるのもまた事実。正直、ここまで勝ち残れるとは本戦の出場を決めた後ですら微塵も思っていなかった。

勤務店舗の定休日は日曜日だけ。急遽6月6日の土曜日も休みが欲しいと伝え、「えぇ~またぁ~?」と嫌な顔をされるも、さすがに折角勝ち得た舞台での対局を放棄することは出来なかった。

6月6日、「マツオカショールーム」。

16名総当たり。4卓に分かれ、内1卓はニコニコ生放送「雀サクッTV」にて配信される。

1回戦目。加藤哲郎さん、森田賢さん、美影あやプロと同卓。全体的に平たい感じで迎えた南2局、西家。親がドラ色のピンズ屋さんか、チャンタ模様の仕掛けを入れる中、ピンズを持って居なかった私は萬子のリャンメン落として場に安い索子へ寄せる。そして1副露で清一色・一気通貫の聴牌。中膨れ2s待ちだが、2sはもう目に見えて枯れている。しかし全員に通る牌でもあるので、一旦その仮テンへ。

そんな中、上家の仕掛けが入る。この2軒の仕掛けに割って入ってきたということは…と、聴牌と読んだ。聴牌と読むと、萬子の中目が臭いところ。直後ひいてくる五萬。放銃してしまっては意味がないし、場が平たいだけにイッツーのみで捌けても良しと、一旦五萬単騎へ。

しかし上家に2副露目が入り、それが萬子の中目。五萬を通し易くなったところでひいてくる6s。369sは目に見えて薄いが、それだけに残りは山ザクの宝の山に見えた。タイミング、待ち、パーペキ!

ほどなく親から6sがツモ切られ、チンイツイッツーの12000。この半荘のトップを決めた。

2回戦目。松原聡さん、サイコロ太郎プロ、田内翼プロと同卓。

オーラス親番。時間打ち切りでプラス1局が告げられた。トップ目の田内プロが49200点、2着目の自分は48200点、その差は1000点。下家が萬子のホンイツ仕掛けを入れる中、平和の69s待ち聴牌。9sは場に3枚切れだが、ダマなら拾えそう。しかし1500をアガって1回上に立ったところで、もう1局ある。出来ればそこそこの加点をしたい。しかし今はその状況じゃないだろうとダマツッパを決め込む。結果は下家が1000/2000をツモアガッて2着終了。だが、素点的にも稼げていたお陰で、2回戦を終えてトータルトップ。

3回戦目、配信卓。土子貴智プロ、村上淳プロ、友添敏之プロと同卓。

手が入りまくりまクリスティーで、4万点超えのトップ目へ。

友添プロの親リーが入るも、状態論者としてはポイントあるから守るんじゃなくて、落ち目には被せる理論を発動し、プッシュプッシュ。

③④⑤⑥⑦23334556 ツモ5s

予想してなかったところをひいてビックリしたものの、「今の私が切る牌がロン牌になるはずがねぇ!」とドラの2sを切ってリーチ!しかしこれがドラ単騎に刺さって親満放銃…。

実はこれ、9sが通っており、6s切っておけば事なきを得ていたのにという、痛恨のS級ミス。

次局に移るも、「なんで放銃になったんだ…」と、状態論者の私はありえない結果となった前局の記憶を遡る。そして自分の犯したS級ミスにハっと気づく…。

そうか、やはり前局は、役牌の暗刻があるチャンス手をドラ単騎で蓋をしたあのリーチを、好調者としてしっかり咎めておかないとイケないヤツだったんだ…。12000点の失点以上に、嫌なものを感じる。

ガレナー派閥の皆さまならこの後どうなるかはお察しの通り。ここから友添プロの怒涛の連荘が始まりデカトップ。

しかし、この半荘の戦犯たる私が、運だけの2着を拾うことに。

配信卓でのS級ミスに、精神的ダメージを引きずりながら迎えた4回戦も配信卓。本来嬉しいはずの配信卓が、自業自得で気重でしかない。

対局者は井浦晋吾さん、小林剛プロ、佐々木陽祐プロ。

ボコスコ手が入っていたこれまでと違い、手が重い。気が重い。ジュースの飲み過ぎで腹も重い。

自業自得の三重苦に陥ったこの半荘、3着で耐えれそうな感じもあったが、やはり全日本ガレナー協会の圧力がそれを許してはくれず、ラス。

これにて最終戦はトップ条件。もしくは、卓内で圏内に位置する清水英二将王と1着順差+素点差4,8pt(先行有利)を付けることが目標となってくる。

5回戦目。同卓者は海保慧太さん、清水英二プロ、飯沼雅由プロ。

序盤、2軒リーチの捲り合いを制し、メンピンオモウラの満貫で先行するも、ずっと平たい感じでいつ転げ落ちるやもしれない状況。

しかしラス前、ドラ2p。

四五456②②④⑤⑥⑦⑦⑨ ツモ3m 打9p で タンヤオドラ2の聴牌。

その後六萬をひいて打三萬とし、タンヤオ三色ドラ2の聴牌へ。親の清水プロの仕掛けが入るも、ドラの2pをツモアガリ、3000/6000。これにてこの半荘のトップを決定づけた!

この日のトータル。

1着、2着、2着、4着、1着、+87,7ptで16名中2位。

プロ2年目となる今期、自身初となるタイトル戦決勝の舞台へと駒を進めた。

“少々“前置きが長くなってしまったが、ここからが決勝戦のお話。

他の3名も似たような感じだとは思うが、体調を整える為とベスト16後の打ち上げには参加せずに帰宅したというのに、準決勝の放送をタイムシフト視聴していて殆ど寝れずじまい。

変なタイミングでうとうとして寝坊の遅刻とかシャレにならんと、めっちゃ早く家を出て、会場一番乗り!

勿論、「マツオカ株式会社」代表取締役社長の松岡さんや配信を担当してくださる「雀サクッ」の矢後さんは既にいらっしゃいましたけどねw

準決勝と同じく、決勝戦もニコニコ生放送で配信される。実況・解説陣が、モンド杯の解説などでもお馴染み・梶本琢程プロ、現RMUチャンピオン・多井隆晴プロ、現最高位・村上淳プロ、スーパーデジタル・小林剛プロ、初代天鳳位・ASAPINさんと、めちゃくちゃ豪華。

対局相手は、ボンバーヘッド友添敏之プロ、雰囲気イケメン田内翼プロ、鼻毛でてたよサイコロ太郎プロ、全員関西のプロ団体所属者だが、他3名はタイトル獲得経験者の強豪選手ばかり。

周りから見てもそうだろうけど、何より自分自身が一番浮いてる感を肌に感じてましたよね、ええ、ええ。

1回戦。

起家から 玉利 田内 友添 サイコロ

東1局 ドラ1m

配牌 二四五六⑦⑦⑧224558白

第一打に白を切って、残るは全て中張牌。最初の配牌としては申し分ない。申し分ないが、どうせならドラが中張牌の時にこういう手牌が欲しいところである。

2巡目、ツモ4p。現状の形としては有効牌ではないが、ドラの無いこの手牌。これで大好きな三色が狙えると、好感触。

5巡目 一二四五六④⑦⑧12245 ツモ 1m

ドラ2になり打点が確保されたので三色に固執する必要はなくなったが、索子の122の3s受けが45と被る為、出来れば3p辺りをひいてソウズの下は払っていきたいところ。体型の割に手牌はスリムなタイプだが、東発親番ならばブクブクお試しセットで最高形を狙いたいものである。

しかし同5巡目、南家の雰囲気イケメンからリーチが入る。自身の手格好はまだ二向聴ながら、東発親番でこの手ならば随分押す気マンマン。

だったのだが、6巡目にアフロの人からも追いかけリーチが掛かる…。

「一段目2軒リーチ&まだ二向聴vs東発親番&ドラ2」の心の葛藤。揺れ動く乙女心。どうなる2人の恋のゆくえ…

とか頭で変なナレーションが流れている隙に、田内プロが高め南を自摸アガリ、2000/4000。どうやら雰囲気だけでなく、麻雀もイケメンのようである。

東2局 ドラ4m

玉利26000  田内39000  友添27000  サイコロ28000

6巡目 一一四四五五六②③③599 ツモ7s

面子手に決めるなら4sビキの目も残して打9sと索子をリャンカン形に決め打つ方針になるが、チートイドラ2の打点的魅力は大きいですから、面子手の二向聴も残しつつ、七対子の一向聴も維持する保留の打5sとする。

その形のまま変化も無いままに、サイコロプロからリーチが入る。宣言牌以外はヤオチュー牌で情報は少なめだが、場に易い索子、得に宣言牌またぎで場に3枚飛んでる47sはかなり本命筋に見えた。

直後のツモ6s。

6sは現物だが、場況的に58sは悪くないので5sがフリテンとなるが、9sトイツ落としで58s受けを生かす選択へ。

次巡ツモ2pでチートイツの聴牌は逃しだが、仕掛けている友添プロの染め色でもありドラまたぎでもある六萬単騎も、場に2枚切れの7索単騎も、既にこの状況では待てる牌では無いのでこれはまぁいいでしょう。

3段目に入ったところで、ツモ6mの平和一盃口ドラ2の聴牌。ただしフリテンの58s待ち。索子が場にかなり安いのでこっちから埋まることを期待していたのだが、まぁ何事もそう上手くはいかないようである。

ほどなくサイコロプロが1sをツモアガリ、裏1乗って1300/2600。

ツモ7sのところで面子手に決め打てていれれば、私にメンピンツモ一盃口ドラ2の3000/6000といったアガリもあったわけだ。

東3局 ドラ8p

玉利24700  田内36400  友添25700  サイコロ33200

7巡目に親番友添プロからツモ切りリーチが入る。

他から何かアクションがあったわけでもないのに、2巡回して突如ツモ切りリーチ。

人によっては手変わり待ったけど焦れてリーチだとか、「こんな良い待ちなら即リーするでしょ!」という相手の思考をミスリードさせる為のツモ切りリーチとか、一発のタイミングを計っていたとか(笑)、色々と理由は考えられるわけだが、いずれの思考も私が思っている友添プロの麻雀観とそぐわない。

11巡目、友添プロがドラ表示牌の7pをツモアガリ、6000オール。開けられた手を見て、ダマにしていた理由は分かったが、ツモ切りリーチの意図は見えてこない。これが昔からあった引き出しなのか、最近身に付けたものなのか、こういう舞台用に用意されたものなのか、友添プロの自戦記を楽しみにしたいところである。

東3局1本場 ドラ8s

玉利18700  田内30400  友添43700  サイコロ27200


気が付くと点棒がかなり減っていた。配牌も7種と、18700馬力のプレイヤーらしい感じとなっている。全ては前日の2s切りで手放したガレナーが…とかなんとか頭の中で前日との因果関係を模索していた。そう、私は“アホ”なのである。

ふと我に返ると、大変なことになっていた。


親の2副露。そこにぶつける上家の自摸切りリーチ。

親の仕掛け、6p5p落としが、5巡目の6pツモ切りによって2度受け嫌いではないことが分かり、ではなぜそのリャンメンを落としでまでリーチが好きなはずのアフロの人がチーチー言うてるのかというと、色に寄せているからに他ならない。そして取牌よりも打牌が先になるぐらい興奮していることから、あの打5pで聴牌と読んでまず間違いないだろう。

そして役牌点呼を取ってみると、東2枚切れ、白3枚切れ、發3枚切れ、中2枚切れ・・・そう、つまりこれはホンイツ仕掛けではなく、チンイツ仕掛けなわけだ。

それが明るみに出た後に自摸切りリーチでぶつけていったとなると、上家の手が本手のダマだったと推測され、自分の手にドラ2あることからドラ3ダマは否定され、予測するにタンピンドラ2のダマテンが本命か?!


3段目に入り、安全牌はあるというのに、私は突如手を止めた。

この時何を考えていたのかというと、既に五が4枚見えている状況から、二も場に3枚飛んだ。手牌には二五受けがある。聴牌を粘り込む上で、この三四は落とせるのか否か…。

リーチ者には1-4m待ちも3-6m待ちも無い。萬子待ちの愚形で親の仕掛けにぶつけたとも思えない。ゆえに通せるでしょう。

ではチンイツ仕掛けの親に対してはどうか。辺3mの可能性は2m1枚分ある。1-4mは、5mが自分の目から4枚見えている状況で、二三五六から五六の方で鳴くのか…というと、微妙なラインである。既に2枚飛んでいるからこそ1mを狙う。1mでアガればイッツーも付いて跳ねる。理由は色々考えられる。

ただ、親が2副露目を入れた時の


この形。

下が3枚上が4枚、シンプルに考えれば待ちは萬子の上となっているはず。

間違いなく、他の3名が私の席に座っていれば、3m4m落としと出来ていただろう。

しかし私には出来なかった。前日の3回戦目、配信卓で見せた“2s切り“のように、なにか思考の見落としや勘違いでまたやらかしてしまったらどうしよう…という“恐れ”に屈してしまったのだ。

この局の結末は、形式聴牌を入れていた田内プロが筋かつ2p4枚見えかつ自分で1枚使っている3pをツモ切り、サイコロプロのタンヤオチートイツの3p単騎へ放銃。6400は6700。

この状況まできてしまえば良い待ちとなっていたが、あの段階でこの待ちでリーチと発せられる理由はなんだったのか、サイコロ太郎プロの自戦記が楽しみである。

東4局 ドラ7s

玉利18700  田内23700  友添43700  サイコロ33900

7巡目

一一四五七八⑥⑦⑧3458 ツモ7s

絶好のドラビキで、MAX三色の跳ツモまで見えてきた。

しかし9巡目、ツモ9sで聴牌。平和ドラ1先制聴牌とか普段なら超嬉しいけど、今回のヴェストワンカップ、本戦以降要所要所で三色が決まって勝ち上がってこれただけに、何かとっても三色同順へ執着し拘ってこの決勝の対局に臨んでた私にとって、この聴牌はとってもご不満だったのですが、かと言ってダマってたところで嬉しい未来が待っているわけでもなく、渋々リーチ。渋々ねw

サイコロプロ、田内プロの仕掛けなども入ったりもしたが、終盤無事六mを自摸和了。裏は乗らずの1300/2600。

南1局 ドラ8p

玉利23900  田内22400  友添42400  サイコロ31300

サイコロプロが5sポンの仕掛け。更に友添プロから5sが切られ5sが4枚見え。

③④⑤⑦⑧1134468南南

南頼みのこの手牌。5sの受けが無い以上、索子の何かを外していくわけですが、嵌7s受けよりは5s4見えで他家も使い辛くなった4sポンからの南バックも視野に、6s8s落とし。

しかし南や4sは愚か1sすら出ぬままに、サクっとサイコロプロが二萬単騎をツモアガり、500/1000。

2回目の親番も親っ被りであっさり流され、嫌なムード。

南2局、親の田内プロが5巡目平和リーチを7巡目にツモアガリ、1300オール。これにて私は再びラス目へ。

南2局1本場 ドラ3m

8巡目、ドラの3mを重ね一盃口ドラ2の一向聴に。しかし嵌張2つの受け入れで、形としては苦しいところ。

10巡目、サイコロプロからリーチが掛かる。ドラ1の嵌4m待ち。

そして11巡目、ロン牌4mを掴む。リャンメン×2の平和一盃口ドラ2の一向聴ならばこの4mは秒で切ってしまっていただろうが、さすがにこの形では余剰牌も無筋のみとなると、何枚押すことになるんだ状態なので、大人しく降りを選択。

しかし終盤手詰まり、場に易い片筋の5sとか切ったり、最後はワンチャンスの宣言牌筋の3pか宣言牌の裏筋は結構通る理論に縋るかの2択で暗刻の2pを切ったりと、結構危なかったものの、なんとか放銃せずに流局の時を迎える。

サイコロプロの一人聴牌。

南3局2本場 ドラ5m  供託1

玉利20600  田内24800  友添39600  サイコロ34000

6巡目、友添プロからリーチが掛かる。手出しで4p3pのリャンメンを落としての親リーチ。早いリーチだが、迫力も十分。

8巡目、

五五六六⑥⑥⑥56東東南南 ツモ7s

現物の6pを切ってチートイツの一向聴にも構えられるが、折角トップ目からの満直チャンスが来たわけですから、ここは少し強気に東をプッシュ。

次巡サイコロプロから生牌の南が打たれ、渋々ポンテン。これでも高め満貫あるからね、渋だよ、渋…。

5m6m各山1だったわけですが、友添プロの待ちの北もマウンテンマウンテンの山2。

そしてこの山2枚対決はほどなく友添プロのツモアガリで決着。しかもツモアガった北に裏が乗って、この日2発目の6000オール。

南3局3本場 ドラ5m

玉利14400  田内18600  友添59200  サイコロ27800

4巡目、

三六七八⑤⑤⑦⑦34778 ツモ3

面子手もニ向聴、七対子も二向聴となる打3m。

次巡ツモ5s打3sで、面子手一向聴。

親が鳴き仕掛けを入れ、同巡ツモ5pで聴牌。ドラの5mをひいてから聴牌したかったけど、この間合いで愚形部分埋まって良形聴牌入ったならリーチいっとこーなー!宣言牌7sの6-9s待ち、高めタンヤオ。

このリーチに対し、仕掛けを入れて白バックの聴牌を入れるサイコロプロ。そしてドラの5mをひいたところで、タンヤオの一向聴へ一歩後退と白のトイツ落とし。こういう瞬間芸のような聴牌を入れたり引いたりと参加率高めで厭らしいことをしてくる辺り、相当“ウザイ“プレイヤーである。麻雀というゲームにおいて、対局相手に「ウザってぇ~」と感じさせるということは、相当“強い“プレイヤーということだ。

終盤、田内プロからドラ切りの追いかけリーチが入る。道中から気合いが入ってきていたので、既にちょっと怖いなぁ…と思ってきたところでのこのリーチ。本手じゃないわけがなく、安めだとリーのみしかない私の手。「今からリーチキャンセルしていいっすか?(涙目)」と半べそ状態。

しかし、田内プロから6pの暗カンが入り、新ドラが暗刻持ちの5p。一気にヤル気UP!w

ド終盤、鳴いて一向聴、しかも田内プロのツモ番を1回増やしてしまう仕掛けを友添プロが入れ、サイコロプロが海底ズラしの“お仕事チー”を入れた結果、田内プロが最後の北をツモアガリ、立直 門前清自摸和 三暗刻 北 ドラ1 の3000/6000。

海底を回すとかズラすとかそういった話はさておき、この本手臭漂う追いかけリーチ者の“ツモ番を1回増やしてしまう”ことを友添プロはどう考えていたのか、これも自戦記を楽しみにしたいところである。

南4局 ドラ中

玉利10100  田内32500  友添52900  サイコロ24500

三段目に入り、親番サイコロプロが中単騎の形式聴牌を入れ、一人聴牌で流局。

南4局1本場 ドラ4p

玉利9100  田内31500  友添51900  サイコロ27500

友添プロの2副露が入る中、親のドラポンが入る。しかし6巡目に3s切ってて、2巡前の6sを迷ってツモ切り。4pポン出しの8p。これをポンテンとまでは評価していなかった。

ドラポンが入ったことで友添プロの仕掛けが安いことも分かり、4pポンにより筒子か萬子かって感じだった待ち候補が萬子寄りに見え、私の立場としてはもう着順UPは狙えないので「刺さってい~よ!」って切った6mがズッポシ刺さって1000は1300。親の脅威に怯えることもないままにサクっと対局を終わらせられ、しかも2000は2300じゃなく1000は1300とお安く済んだ辺り、この対局の終わらせ方にはなかなか良い感触を覚えた。

が、2回戦目の席決めで再び同じ席となり、これにはかなり嫌な感じを覚えたw

1回戦終了時のポイント

1着 友添 +53,2
2着 田内 +11,5
3着 太郎 ?12,5
4着 玉利 ?52,2

2回戦。

起家から 田内 友添 玉利 サイコロ

東1局 ドラ6s

7巡目、サイコロプロからドラ切りリーチが入る。前巡の少考後5p切りを受けて、ピンズ①③④④から4pを先切りして現物の1pを抱えていた辺り、なかなか良い間合いで打ててるぞ、と自画自賛していたわけですが、一発目にひいてきたのは7p。意味ねぇw ・・・てかまぁ結局は47p待ちでも無いんですがw

サイコロプロの待ちは先引っかけの嵌8p待ち。ここに手詰まった田内プロが捕まり2600の放銃。

東2局 ドラ7s

田内27400 友添30000 玉利30000 サイコロ32600

8巡目、

一二四五五六七八⑦⑧⑨89 ツモ8s

三色の崩れた気持ち悪い形だったが、このツモ8sで一気通貫の一向聴へ。7sか8sか1mか2mをひけば、再び三色コースへ。

3段目に入り、萬子のリャンメン落としからのリーチが入ったのは田内プロ。そこに追いかけリーチと被せにかかるサイコロプロ。

この瞬間ズボっと3mが埋まれば3軒目となるリーチを打ちたかったのだが、入り目は6mで役無しドラ無しの辺3m待ち聴牌。一応聴牌は取って、運よく聴牌維持したまま流局できたらいいなぁ~と淡い期待を抱くも、そう都合良くは行きません。田内プロが2sをツモアガり、1300/2600。

東3局 ドラ9m

友添プロがタンヤオ仕掛け。ドラが9mなだけに、リーチで被せる気マンマンでしたが、田内プロからサラっと出アガり、1000点の脇移動。

東4局 ドラ4p

友添プロのポンポンポンと3副露が入る中、親番サイコロプロからリーチが掛かる。

終盤、サイコロプロが2s単騎をツモアガリ、裏は乗らずもチートイドラ2の6000オール。

牌の残し方抜群のチートイツの仕上がりに解説席からは絶賛の声。

サイコロプロの自戦記を読んで、この山読みの技術は是非勉強させて頂きたい。

東4局1本場 ドラ8m

田内26600  友添22400  玉利22700  サイコロ48300

配牌 一五八九①11238東北白 ツモ發

ドラ含みターツも有り、123の面子もあるし、ちょっとチャンタも見たくなりそうな手牌ではありますが、親と南家は第一打から役牌、西家はドラのお隣9mが第一打、そんな中でチートイツも面子手も五向聴の手牌でうっかり前に出て手詰まって放銃するような未来は万が一にも迎えたくないので、国士無双の四向聴として期間限定オープンで営業しようかなと、そんな感じで手を進めてみる。

終盤、親の仕掛けが入り、それに呼応するかの如く局面は動きだし、西家からリーチ、南家から追いかけリーチが入る。その来る時に備え、安全牌の確保はバッチシだ。


このシーン。

親から切られた白を私は鳴いた。放送上、解説では安全牌が安全牌が發だけと、安牌足りてないのに仕掛けたかの如く言われていたが、果たしてそうなのだろうか?

親は5pポンの後、リーチを受けて9sトイツ落としと降りに回った模様。

北は場に3枚切れなので完全安牌。東と發も各2枚切れ。国士模様の人が居る中で、その相手から直撃狙いたいとかあるならば地獄単騎で曲げることもあるのかもしれないが、初戦ラスをひいた私からアガるよりは、ツモるか他家からアガった方が嬉しいというのは他3人の共通の意識だろう。よってこの2牌もおおよそ安全牌。

そして筋の9p。場1で2枚見えていない。友添プロの宣言牌7p。そこだけ見ると決して安全牌ではないように思えるが、国士模様の人が居る中で、7p3枚見えの場1の嵌8pではなく場1の9pとのシャンポンに受けるだろうか?

受けるとすればシャンポンの相方が役牌やドラなどで打点が高くなる可能性がある牌であった場合なんだろうが、役牌シャンポンの可能性は全て否定され、ドラも場に2枚切れ。これらも加味すれば、9pも安全牌と言えるのではないだろうか?

聴牌する可能性自体はめちゃくちゃ薄いが、何もしなければノーテン確定。鳴いたところでリーチ者のツモ回数も増やすこともない。

まぁ大体聴牌しないから、別に鳴かなくてもいいとは思いますけどねw

しかもこの局の結果は直後に友添プロのツモアガリを生み、ともすれば田内プロから友添プロへの横移動で済んでいたところが自身の失点する結果を生んだわけですから、悪い鳴きっちゃ~悪い鳴きですよねw

南1局 ドラ東

田内24800  友添26400  玉利21900  サイコロ46900

オタ風のドラがトイツの手牌を貰ったが、他の手格好がかなり苦しい。役牌を重ねてバックにしてでも愚形処理するチーチー言うていきたかったものの、結局何も重ねれぬまま手なりのブクブク。

10巡目、親からリーチが入り、一発で掴むロン牌。これが“状態差”ってヤツですか?w

12巡目、田内プロが6mをツモアガリ、裏ドラも6mで2000オール。

またも一人置いてかれる感じになって参りました…。

南1局1本場 ドラ5s

田内30800  友添24400  玉利19900  サイコロ44900

ドラの5s暗刻のチャンス手到来。タンヤオに寄った手牌。ここで攻めなきゃいつ攻める!

サイコロプロから得意の4巡目リーチが入り、

二四四八八③⑤34555中

と、まだ二向聴だったけど、徹底抗戦と上家から切られた2sをリャンメンチーして一向聴。

このリーチと仕掛けに対して、ドラ1完全一向聴の友添プロが2人に無筋の4pをプッシュし、サイコロプロに放銃。メンピンの2000点脇移動。

大チャンス手到来も、4巡目リーチに屈するの巻。

南2局 ドラ4p

田内30800  友添22100  玉利19900  サイコロ47200

配牌 四七八八②⑦⑨⑨⑨7南西發 ツモ1s

ドラも無いこの手牌。789の三色に育てるぐらいしか取り得がない。

サイコロプロの西ポンでツモ番が飛ばされるも、ドラをヒキ、ダブ南を重ね、三色にならずとも打点的魅力が見えてきた!

そしてそういった形が整ったところで、上家から切られるドラ表示牌の3p。これをチーして南バックのニ向聴。

面子が出来て一向聴。

親の仕掛けも入ったが、子方の共通認識でこの親を流したいというものもあるのでダブ南も簡単に鳴かせて貰えて聴牌。6m9mのノベタン待ち。

これが山5と山ザクで、すぐにツモって1300/2600。初戦トップの友添プロ以外の3人全員が嬉しいアガリとなった。

南3局 ドラ7p

田内29500  友添19500  玉利25100  サイコロ45900

配牌 三七八③⑤⑨1122459中

ドラも無いだけに345の三色か索子の一気通貫ぐらいには仕上げたいものの、初戦ラスでこの半荘3着目の人間がラス前の親番で一番に目指すべきことは、まずは先手を取ってリーチを打つことか。中を切り出し、ブクブクお試しセットへ。

6巡目 六七八②③⑤1122456 ツモ5s

普段の打ち方なら5sを残して柔らかく構える二向聴戻しと悠長に構えていただろうが、ここまで割と良い手でも結局後手を踏んでずるずると点棒を失ってきただけに、1-4p埋まっての即リーチも逃したくなく、余剰牌はドラ受け用の1枚のみと構えた。

9巡目、ツモ6sで5s切りが裏目と出たが、次巡ツモ6pで構想通りの伸びを見せなんとかリカバー。しかし二向聴戻しとしていればタンピン一盃口ドラ1の一向聴へとなっていただけに、微妙なところ。

同10巡目、田内プロからリーチが掛かる。しかし1戦目ラスの身としては、この親番この一向聴で引くことは出来ない。

11巡目、有りがたいことに、リーチを受けてすぐに聴牌が入る。4pビキの3門張の次に嬉しいドラの7pビキ聴牌、1-4p待ち。1pは田内プロの現物だが、今は2900を拾いたい時ではない。リーチして4pをツモアガリ、裏1乗せて「6000オーーール!」と咆哮する時だ!

1pと4pは山に1枚ずつ生きていた。しかし私が喉から手が出るほど欲しい4pは、無情にも田内プロの下へ。

4pを暗カンする田内プロ。カンドラを乗せて、リンシャン牌から6pをツモアガる。立直 門前清自摸和 嶺上開花 ドラ2の2000/4000。

今の心境は?

 ・・・オフコース、言葉にできない。

南4局 ドラ5s

田内38500  友添17500  玉利20100  サイコロ43900

もはや上と離れ過ぎた為、このオーラスのテーマは全力3着死守。1回戦目ラスでこの半荘3着だと既に結構キツイわけですが、今出来る精一杯は連ラスをひかないことだけだ。

友添プロから切られた中を1鳴き。

五八④⑤67北北白發  ポン中

その後、辺7m3-6pの一向聴となるが、田内プロの切った3sをヤミテンに構えていた親番サイコロプロがロン。一盃口ドラ1の3900。

南4局1本場 ドラ3m

田内34600  友添17500  玉利20100  サイコロ47800

このままの並びで終わらせようと仕掛けを入れる田内プロ。

3着浮上を目指し、ツモ直条件の手で仕掛けを入れる友添プロ。

そこにドラの3mが暗刻のサイコロプロが、リーチでかぶせる。58m4mの変則3門張。打点十分、待ちも悪くない。この手を決めて加点すれば、王様タイムへ突入できるわけだ。

しかしこの局を制したのは友添プロ。親リーにも屈せず、しっかり押し切っての南ドラ1の2000は2300のアガリ。強い。

リーチ棒が出たことにより、このアガリで友添プロは3着浮上。私は1回戦目に続き、この半荘もラス。早くも崖っぷちへと追い込まれた。

2回戦結果

太郎 44500
田内 34600
友添 20800
玉利 20100

2回戦終了時のトータルポイント

友添 +34,0
太郎 +32,0
田内 +26,1
玉利 ?92,1

3回戦目

起家から  玉利  サイコロ  田内  友添

東1局 ドラ9p

親番、ドラも1枚あるし、手なりでブクブクに太らせていったが、ドラ表示牌が目に見えて薄くなり、チートイツへシフトチェンジ。一向聴までいったものの、10巡目に田内プロと友添プロからリーチが掛かり、ギブアップ。

ドラ3あって一向聴のサイコロプロがプッシュし、9sで田内プロへ放銃。その9sに裏ドラが乗り、立直 東 裏1 の5200。

本日5回目の親番もあっさり終了。希望の光は未だ見えず。

東2局 ドラ8m

玉利30000  サイコロ24800  田内36200  友添29000

3巡目、

五七八八九③⑦25578北 ツモ1s

ドラ2のチャンス手。まだ一段目だし、字牌を切ってめいいっぱいの構えに。

しかし直後、サイコロプロから得意の4巡目リーチが入る。捨て牌は北1m5p7m。通っている筋は1-4m4-7m2-5p5-8pで通っていない筋はまだ14本ある。ていうか親の4巡目手なり最速リーチならば、良形であるとも限らない。

このリーチが入った瞬間、この局は全部ド直球でぶつけてみようと自分の中の変なスイッチが入った。

五七八八九③⑦125578 ツモ9p

「オラー!」と三色ドラ1の“二向聴”となった男は、バシっと5mを叩ききった。

親「ロン」

立直 平和 一発 裏  12000

親リーに二向聴で2筋抽選の無筋を切る男、玉利一。なんでこんな人がこの舞台へ残ってしまったのだろうか? その後、彼の姿を見た者を居ない…。

                        ~ 完 ~

と、そこでもう終わりにしたいとどんなに願っても、まだ3回戦の東2局。 対局は続く…。 映像も残る…。 せめて、みなさまの記憶からは消し去ってください…(懇願)。

現物は7m一枚。それを抜くと手が完全に死んでしまうとはいえ、7m4枚見えなら降りようも、回しようも他にあっただろうに…あぁ…消えてなくなりたい…。

東2局1本場 ドラ3p

玉利18000  サイコロ36800  田内36200  友添29000

9巡目、親番サイコロプロが再び先制リーチ。

一発目にひいてきた2mは無筋。手牌一向聴。

しかし3m3枚見えで2mはワンチャンス。更に親は3巡目に3mを切っており、7巡目にオタ風の南を手出ししている。普通に考えれば3mより外側の牌は無筋の中では切り易い牌なのだが、手が止まる。前局のミスを引きずる系雀士、自分に喝を入れ、2mをツモ切る。

次巡 七七八八①①①②③④④北北 ツモ9m

高め一盃口の6-9m待ち聴牌。しかし自分の目から6-9mは4枚見え、更には高めで外側の牌となる9mが3枚見えている。聴牌打牌となる4pは親リーに対して1-4p4-7pの2筋放銃抽選を受ける牌、且つドラまたぎ。通っているわけでもないのに、トイツの北に手を掛けたくなる衝動に駆られるも、再び自らに喝を入れ、4pを切ってリーチを掛ける。

ぷるぷる震えながらの捲り合いは終盤まで長引いたものの、なんとも嬉しい高め9mツモアガリ。2000/4000は2100/4100。

ここまでのアガリは1300/2600を2回だけ。ようやく初日が出たか…という満貫のツモアガリに、「ここからだ!」と気持ち的にも随分救われたアガリとなった。

東3局 ドラ5s

玉利27300  サイコロ31700  田内34100  友添26900

3巡目、親から切られた東を1鳴き。手残り七七九九③④226西

6sを重ねてリャンメン落とし。捌き手からトイトイへ移行。

9mポン、7mポン、1段目の内に3つポンしてトイトイ聴牌。2sと6sのシャンポン待ち。山4。

9mを果敢に加槓し、6400点へ打点UP。

ドラの5sをひいてリャンメン変化もさせれたが、この手牌4センチから手出しを入れる気はなく、アガリ牌以外はゴミを見る目でツモ切ろうと決めていた。

しかし、このツモ切った5sを下家のサイコロプロがリャンメンチーの仕掛け。片アガリの6-9m待ちのタンヤオ聴牌を入れる。

あのノータイムでバシバシ切り飛ばす友添プロが5mを切る時に少考していた。これをターツ選択と読み、「7mのポンが入っているので5m6m落としをしていたのではないか…」と読み切ってのこのチーテンか?!

友添プロ。3sをツモり聴牌。6mを0,5秒で切り飛ばし横に曲げるも、その6mはサイコロプロのロン牌。

サイコロプロの読みと決断力、素晴らしい2000点のアガリとなった。

東4局 ドラ9m

玉利27300  サイコロ33700  田内34100  友添24900

6巡目 一一三四五③④35567北

345の三色一向聴。

10巡目、ツモ1mで手広くなったものの、欲しい牌は5pと4sのみ。

上家の友添プロが仕掛けたタイミングで、ツモ2pの聴牌。三色崩れちゃったけど、この間合いでの聴牌だったらリーチいっとこーなー!理想的変化も少ないしね。

しかしその後友添プロも聴牌を入れ、同テン5-8s待ち。そしてこの捲り合いは友添プロのツモアガリでフィニッシュ。…つえぇ(´・ω・`).

東4局1本場 ドラ南

玉利25800  サイコロ33200  田内33600  友添27400

9巡目、友添プロからリーチが入る。

11巡目、私のツモ切った7sをサイコロプロがチー。リーチしてる親が5巡目にドラを切っている為、打点的脅威はそんなにないだろうと読んでの踏み込みか?!

その後親から白の暗カンが入り打点的脅威が見えてきたが、今度は捌き切ることへの価値が上がり、良形聴牌なら捲り合いの価値も出てきたか!?

結果は友添プロ、サイコロプロの2人聴牌で流局だが、なかなか見応えのある一局だったように思う。(視聴者談)

東4局2本場 ドラ7p 供託1

玉利24300  サイコロ34700  田内32100  友添27900

3巡目、二三九九①⑤⑥⑦12388 ツモ3p

前巡、7sの受け入れを無くして一向聴形を弱くしてでも抱えていた1pに3pが繋がり、三色が見えてきた!

こうなれば当然この局はヤル気マンマン♂♂状態だったわけですが、サイコロプロから得意の4巡目リーチが掛かり、早速萎えぇ…(´・ω・`).

8巡目、友添プロからチャーソウが切られ、サイコロプロが 立直 平和 一盃口 の3900は4500(+供託1付き)のアガリとなった。

南1局 ドラ2s

玉利24300  サイコロ40200  田内32100  友添23400

なんとか残り2戦に優勝条件を残す為にも、この半荘是が非でもトップが欲しいこの状況。この親番がラストチャンスのつもりでこの局に臨む。

11巡目、友添プロからリーチが掛かる。

直後、私の手牌

二三五六七2467⑤⑦⑨⑨ ツモ3p

567の三色を見てるんですが、嵌3s部分が弱いんでフリテンの1-4m受けも残す6ブロック打法に構えてブックブク。落としたくない親番とはいえ、ストレートに押し切るには遠すぎるので、一旦9pをトイツ落としして様子見。

次巡ツモ3sで急所が埋まり、ドラ面子完成。前巡のツモがこの3sで一向聴になってたら真っ直ぐ押せたのになぁ…と少しションボリするも、今度はタンヤオルートが見えてきた。

上家から切られる5s。これをチーして筋の3mをプチプッシュ。6m早いし、宣言牌字牌だし、あんま刺さる感じはしてないんでプッシュしたつもりはないんですけどねw

そして更に4pをチーして筋の7pをプッシュし、タンヤオドラ1の2m単騎の聴牌。

で、リーチ者から2mがツモ切られ、ロン。聴牌維持できれば御の字の仕掛けだったが、運良くリー棒付き2900のアガリを手にする。

南1局1本場 ドラ8m

玉利28200  サイコロ40200  田内32100  友添19500

2巡目に北家の友添プロが切った1pを西家の田内プロがポンの仕掛け。ここまで仕掛けの多かったサイコロプロ、友添プロに比べ、重く打っていた田内プロのこの仕掛けだけに、場に戦慄が走る。

しかしまだまだ手から違う色が切られるし、ブラフをやらないとかたまにするとかいった情報も持ち合わせていない私は、まだまだのんびり自分の都合で手を進める。

一二三④⑥⑧2456799 ツモ6m

ここで手狭に打8pと筒子のリャンカンを崩し、一応一向聴は維持しつつ、余剰牌に6mを抱える。

南家のサイコロプロが中をポンし、長考後、打4s。サイコロプロも田内プロの仕掛けの評価具合を決めかねている感じなのか?!

この仕掛けで、理想通りのツモ5mで456の三色が見えてきた私の手牌。

ドラの8mビキで三色崩れる7mビキならドラ1付けようと、“ポンカス”の中を切り8mは手元へ。

しかし友添プロの8p切りの攻めっ気を見て、やはり今の内に処理しておこうと次巡打8m。なんというビビリw

しかし5mをひいたところで今度は打發とめいいっぱいの構え。こうなるとアガリよりも聴牌を目指す感じ。

と、ここで、田内プロの大長考が始まる。2-5-8pか1-4-7pかの待ち取り選択。結局1枚余る形でのチンイツ聴牌なだけに、聴牌がバレるのは覚悟の上。どちらがより山にあるのか、なんとなくに委ねることなく、しっかりと読みを入れての選択をする田内プロ。素晴らしい。

上家のサイコロプロが2副露後に手から2sトイツ落としなど、筒子を抑えにいっているのが分かるだけに、「こんなの読みようがねぇ…」と私なんかはついつい思っちゃいがちなのですが、やはりプロならば思考放棄せずにしっかりと意志を持って決断すべきですよね!

結果、私は聴牌を入れることもないままに2pを掴み、ノーテンで親落ち。田内プロの一人聴牌で流局。

南2局2本場 ドラ1s

玉利27200  サイコロ39200  田内35100  友添18500

この1局は色々と恐ろしい一局だった。

親も落ちての3着目。残り3局で1回は満貫クラスのアガリを決めたい私は、この局チートイドラ2狙いの手組みへ。

その手組みのお陰で、読みが追い付いてない中でもたまたま放銃回避することが出来たという…。


この局面。下家の親がリャンメン落とし後、手出しが入った。面子選択が入り、リャンメン落とせるぐらい整っているところから、1手進んだ。ということは、一向聴以上と読むのがノーマルな思考でしょう。

しかし一発裏ドラ有り、赤無しのこのルール。リーチの価値が高いルールだけに、ヤミテンをケアする機会はそう多くない。

が、実際はこの時、既に親は聴牌を入れていたのだった。


上家が切った4sの筋ぃ~と7sをツモ切り、対面の切った9sに合わせて9sもツモ切り。親の河に高いソウズは今の内でまだホイホイ切っていた。

しかしこの4s切りで、マンピンソウの真ん中濃いとこが切られ、リャンメン落とし後の2つ目の手出し。そして結構切り方に雰囲気も出ていた。

「ソウズ(の染め)もありうるな…」と自分の手が自分の手だけに、一応親のメンホンダマは警戒区域に入った。


9巡目。この手出し3pで友添プロからもマンピンソウの各色の3~7の牌が切られた。

しかし5s切ってる後の4sツモ切り、2m1m払った後の3mツモ切りと、河に並んだ牌種の派手さのほどの脅威は感じていなかったのが正直なところ。あんまし友添プロとヤミテンのイメージが繋がらないというのもあったのかもしれない。


12巡目、親のこの少考後の手出し4s、9巡目に切った4sを再び手出しするのに少考した。ここで聴牌した手で、手から4sが出る形だった場合、もっと自然な間合いで切られたはずである。

「これはスライドで、9巡目に既に聴牌しておったな、お主!」とここでようやく親のヤミテンを逮捕。

しかし実際は7巡目でのメンホン聴牌だった模様…。俺氏、勘違い乙!


この6sツモ切りで、ようやく友添プロのヤミテンをキャッチ。

その前の7sでも「ん?」となったが、大体通るからこんなのはまぁ一向聴でも切るわなぁ~と思ったが、次巡のこの6s切り、これで完全にきとるな…となったわけですが、しかしまだ、友添プロの手に関してはメンホンだとは思ってなかったのです、お恥ずかしい話ですが…。

この辺りの巡目までくれば、場に出てる字牌の数の少なさからメンホンも警戒するんだろうけど、親のサイコロプロにその雰囲気が出てるからそこが原因だと思っちゃたんですよねぇ…字の高さに関しては。

友添プロはいつも雰囲気たっぷりでゴリゴリくるイメージが強いだけに、本手ダマかどうかすら認定できておらず。捌き手に刺さる分にはまぁノーテン罰符とかわらんし、ええかな…的なテンション。思慮が浅すぎる…。

結果はサイコロプロ、友添プロ、2人聴牌で流局し、事なきを得たわけですが、友添プロの手を見た時、驚きすぎて目がこぼれ落ちそうになりましたよね、ええ、ええ。


この段階でメンホン聴牌2人とか…。

しかしこの局の主役はメンホン聴牌を入れていた2人ではなく、雰囲気イケメン・田内翼プロ。25歳。

村上最高位に「天才」といわしめたその雀力、読みの深さ。どの段階からどの程度まで読んでいたのか、田内プロの自戦記を読むのが楽しみでなりません(*´?`*)ジュル

南2局3本場 ドラ9m

玉利25700  サイコロ40700  田内33600  友添20000

この局は試し切りプッシュからの撤退判断とかが良い感じで、後から自分でも見ても唯一自分を褒めてあげたい一局だった…ように思う。

が、同時に最大級の失態もしちゃった一局でもあるのですが…


あっと言う間に上家下家が役牌仕掛け…面倒臭ぇw


4トイツ完成。七対子の二向聴となり、できればドラ表示牌の8mを処理したいところですが、ここは急所部分になりうる牌なので、まだ二向聴では切れず、かと言って二向聴維持しつつ切る牌は全て鳴かれる可能性のある牌。ここはひとつ、“お試しプッシュ”といってみようか。


3m、5m、7s、随分鳴かれそうな牌種を3つも切って1つも鳴かれず。

サイコロプロの対局を映像で視聴した際、仕掛け後の良形部分スルーというのは割とあるタイプだという情報は得ていたので、この3牌が鳴かれなかったからと言ってまだバラバラとは評価せず、むしろ手から出てる牌も絡めて考えると、かなり整っているんじゃないかと判断した。

親が手出し3mで更に一手進んだところでツモ4s。手も進まないし、そろそろ受けを意識し始める。

上家の仕掛けもあることだし、安全エリアを確保すべく、親には動かれないであろう筒子を河へ並べていく。


ここで西を手放し、手牌進行は保留。9sは抑える。


このツモ4mで、現状の手格好での手牌進行は断念。

7m、北、2pとツモれば満貫まで見える手格好だが、既に局面は夢見る少年時代を終え、現実と向き合う大人の時間に入っていた。

急所の嵌8mを埋め一向聴となった親に、余剰牌の4mも9sも動かれる牌なのだ。


セーフティーゾーンと決め打った筒子を払い、受けに回っていたが、終盤上家から切られたこの5s。これに「チー」と反応した。

対面から切られた北を鳴いても一向聴となるが、それだと何か牌を勝負しなければならなくなる。大した手でもないのに。ゆえにそれはスルー。

残りツモ番は3回。2p、北、北、安全牌は足りていた。全て有効牌をひいてきたのみ聴牌が入る薄い可能性だが、何もしなければノーテン罰符による失点は確実なので、この5sは鳴くことにした。

鳴くことによってツモが増えるのは5pトイツ落としで受けに回っている(と思っていた)田内プロなので、さして問題はないでしょう、と思っていた。

まぁそこまではいいんですけど、ここで痛恨の…


副露、晒し間違え…。

5sをチーって言って、最初につまんだ牌が5sって…なんでやねん!

大変失礼しましたm(_ _)m

【最高位戦競技規定】

第54条 錯行為

1. 錯チーとは、順子とならないのに順子として副露した場合をいう。その他の錯行為もこれに準ずる。(打牌以前であれば訂正可能

2. 錯チー・錯ポン・錯カンはアガリ放棄とする。

「打牌以前であれば訂正可能」、この一文のお陰でアガリ放棄の裁定は受けなかったものの、手牌を晒すなど競技者として最低な行為。本当に本当に申し訳ございませんでしたm(_ _)m


次巡、上家から切られる7m。

ドラの9mも3枚見え、4枚目の在り処はあの空切り臭満載の7mで親のところであろうとなり、友添プロに海底のツモが1回増えるリスクよりも自分の聴牌する可能性を高めることの方が大事と判断し、これもチー。

と、ここまでは恐ろしく順調に手牌を進行させれていたわけですが、


この2副露が田内プロのリーチを誘発してしまう…。

実際は既に聴牌していたところからの待ち変化でのリーチだったわけですが、この時の心境としては「マズイな…」と感じており、「鳴ける牌出てくれ…」と懇願していた中での6mチー。

聴牌を入れれたことよりも、雰囲気たっぷりの対面のリーチに対し、ツモをズラせたことに安堵していた。


ただ一つ困ったことは、チー、チー、チーと、思いがけぬ全て鳴きでの手牌進行となった為、海底が自分に回ってきてしまったのだ…。

予定していた2p、北、北、の安全牌3枚は既に使い切っていた。

この時の心境は、「4sひけ!」ではなく、「安全牌ひけ!」であった。

しかし無情にもひいてきた牌は8s。索子の上目は超危険エリア。河には自分が切ってる7s1枚と、上家が切った9s2枚のみ。5sが4枚見えてる中でのこの状況は相当臭い。動物性タンパク質を沢山摂取した後にこいた屁ぐらい、臭い。満員電車で目の前のオッサンの後頭部から漂う加齢臭より、匂う。

聴牌維持は出来なくなるが、一番安全度の高い3sを切り、ノーテンを受け入れる。


親の待ちは6-9s。南家の待ちは5-8s7s、西家の待ちは5-8s。

最後手元に残った4牌すべてが誰かしらのロン牌だった…。

南2局4本場 ドラ9p  供託1

玉利22700  サイコロ41700  田内33600  友添21000

まだ一段目だというのに、友添プロがあっという間の3副露。親にも仕掛けが入っている。またも困ったちゃん。

手牌4センチから、友添プロが手出しで4m6mのブロック落とし。シンプルに考えるならば、雀頭無し2ブロックからの面子完成、単騎聴牌といったところか。(実際は嵌張聴牌からの単騎変化)

直後、ツモ1pで聴牌。

一二三六七八九②③④⑥東東 ツモ①

役無しドラ無し愚形聴牌。取りダマにしてからのリャンメン変化で平和聴牌といったこともできるが、ドラも無いこの手牌で目指すべきは萬子の一気通貫に仕上げてのリーチツモ、これ1点。

ツモ中のところで、6pは友添プロには通っており、親も4p早くて、9pも切ってて、大体大丈夫そうということで、6pを切り、完全安全牌の中を抱える。また突如田内プロからリーチとか飛んできた時に1牌押し返せるように。

しかし次巡、ツモ7sで指に走る電流。マズイ予感を感じ、中を切って7sは一旦抑える。一気通貫に仕上がった時だけ勝負。もういっちょ嫌な牌ひいたら迂回ルートを模索。そんな感じ。

次巡、ツモ4mで一気通貫の嵌5m待ち聴牌。苦しい待ちだけど、親はドラ切ってるし、上家はドラ9pでタンヤオ仕掛けだし、勝負いっとこーなー!とリーチといくも、その7sは友添プロのロン牌。タンヤオ、1000は2200の放銃となった。

もうちょっと感覚がキレッキレならここでもう1周り東のトイツ落としで回ったり出来てたのかなぁ~…(遠い目)。

南3局 ドラ東

玉利20500  サイコロ41700  田内33600  友添24200

前局の放銃でこの半荘もラス目へ。しかしその事実以上に、自分の危機感覚を信じ通せなかったことを悔やみ、引きずっていた。

5巡目、四四五六六七③⑦2347東 ツモ7s

2ラス中、ラス前、ラス目、既に崖っぷちどころか崖から10分の8ぐらい落ちてるこの状況。タンピン一盃口、もしくは234や567といった遠くに見える何かに縋り、ここでドラの東を切った。

親「ポン」

無情にも、直前に東家に重なっていた南場の東。ドラ。

鳴かれる前と鳴かれた後では状況が変わる。局面が違う。鳴かれなければ先ほど書いた3兎追い構想を続けたが、こうなってしまっては3pと6pの筋で2牌抱えは手になった時に捕まってしまう恐れがある為、三色はツモ3m、ツモ4p、ツモ2mでリーチ、ツモ2p!の234コースだけとし、3-6p、6-9pと2筋抽選を受ける6pを危険牌先切りとした。

しかし、この状況はそんなこと言ってる場合じゃなかったのである。既に2ラスひいてて、この半荘もラスならこの決勝戦における可能性が終わってしまう。この局のリスク云々言ってる場合じゃなく、既に後が無い状況なんだから、「いくっきゃない」のである。

思えば1半荘目から、決勝戦を戦うということへの認識が欠如していたのだろう。折角このような舞台で戦う機会を頂いたというのに、全くもって情けない話である。

友添プロが嵌2mをチーしてタンヤオの聴牌を入れる。最高位戦の先輩である友添プロは、親のドラポンに対してもギリギリまで踏み込もうと歯を食いしばって勝負をしていた。

一方、より危機感を持って戦わないといけないはずの私は、田内プロの聴牌したタイミングを見落とさぬよう、撤退し時を模索することに神経を張っていた。

三四五六六六七⑥23477 ツモ二

タンヤオの聴牌。しかしこれは取らずに、親に中筋の6m切りとし、聴牌取らずとした。

が、次巡。親にドラの加カンが入り、新ドラ7s。雀頭にドラが乗った。これで戦う価値のある手牌となった。

そしてそのタイミングで、切りづらさを感じていた6pに5pがひっつき、タンピンドラ2の満貫聴牌。「満貫出アガリでいいのか?」といった葛藤もあったが、場にも結構切れており枚数的には薄いし、ダマなら今にも拾えそうなこの状況を利用すべく、ヤミテンに構えた。

2巡ダマにしてみたが、出てこぬ4-7p。残りツモ1回。ツモ番1回なら親が聴牌していても放銃抽選は1回で済むし、うっかりツモあがれた場合、一発ツモ裏1で倍満ならば次局ほぼアガリトップと、この半荘のトップが一気に現実味を帯びてくる。というわけで、リーチといってみたわけですが、まぁツモらんよね、山に無いんだからw

この局、一回切りかけた7pを止めたサイコロプロ。これが私の6mトイツ落としの2枚目を切るのに少考してたのとかを受けてのヤミテンケアだったのか、親の少考後手出し3sを受けての細心の“フリテンチー”ケアだったのか…。前者ならダマにしてても海底で切られることはなかったわけだが、後者ならワンチャン河底ロンもあったのか…。

南3局1本場  ドラ8m  供託1

玉利21000  サイコロ40200  田内35100  友添22700

4巡目、

一二二二三四七七八⑦⑧11 ツモ九

普段なら、ドラ1あるし、リーヅモオモウラの満貫目指して手なりで打7mの一向聴と受けることの方が多いが、手牌に萬子10枚。今の自分が置かれている状況も加味すると、チンイツを意識せずにはいられない。

しかし次にひいた萬子がドラの8mだった場合、平和ドラ2高め一盃口でもOKなので7p8pには手を掛けず、1sのトイツ落とし。

しかしそんな他人の構想などお構いなしに(←そりゃそうだろ)、ドラ2の友添プロがタンヤオ仕掛けを入れ、サイコロプロが6巡目に平和聴牌を入れ、7巡目ひっそりとツモアガリ。 …何もさせて貰えない。

南4局 ドラ白

玉利20500  サイコロ43000  田内34300  友添22200

4巡目、親の友添プロが聴牌を入れるも、これを取らずと柔らかく構え、7巡目に平和の3-6-9m待ち聴牌を入れ、今度は勿論リーチ。

この段階で平和三色を構想として三向聴だった私は勿論オリ。

14巡目、友添プロが6mをツモアガリ、1300オール。

南4局1本場 ドラ6p

玉利19200  サイコロ41700  田内33000  友添26100

前局、3着目の友添プロの1300オールを受けて、心がポキっとね…となった私は、もともと変な手順は多いが、更なる迷走期へ。

6巡目、

三八八④⑤⑥⑦⑨⑨44567 ツモ⑨

このツモ9pで、この手が七対子ドラ2の三向聴にチラっと見えてしまい、打3mとしてしまう。

この手はメンタンピンツモドラ1+一盃口とか裏1とかそういったのでの跳満を目指す横の手やろ…何やってんだ、私は…。

同6巡目、サイコロプロがタンピンドラ2の聴牌。一段目にこんな聴牌がトップ目に入るって、やはり麻雀は“状態ゲー”なのか!?w

11巡目、田内プロからリーチが入るも、しっかり押し切り、サイコロプロが満貫ツモアガリ。ダメ押しを決め、5万点超えのトップへ。強い。

3回戦結果

太郎 51000
田内 29900
友添 22000
玉利 17100

3回戦終了時のトータルポイント

太郎 +83,0
田内 +36,0
友添 +16,0
玉利 ?135,0

どんなに悔いても、過去は変わらない。

どれほど心配したところで、未来もどうなるものでもない。

とどのつまり、

今現在に、最善を尽くすべきなのである。

4回戦

起家から 友添 田内 サイコロ 玉利

東1局 ドラ5p

親の仕掛けが入る中、8巡目に

九九③④⑦⑧1366白白白 ツモ2s

リャンメン2つの一向聴。白の暗刻もあり、ドラの受けもある。良い手だなぁ~(遠い目)

しかし全然聴牌しないままに、サイコロプロからのリーチも入り、結果は友添プロ、サイコロプロの2人聴牌で流局。

東1局1本場  ドラ2s  供託1

4巡目、田内プロからツモ切られた東を親がポン。7巡目、二向聴のサイコロプロが切った白も、親がポン。3役付いて、目に見えて高い、親の仕掛け。ゆえに、上家の私は完全に受け。

しかし、友添プロが自力で3sをツモアガリ、ダブ東 白 対々和 ドラ3 の8000オール。

既にこの半荘もトップ無理そうな感じで、もはや私は友添プロの勝利への気迫が呼び込んだ(かのような)このアガリに、ただただ見惚れるばかり。

東1局2本場 ドラ5p

1巡目に田内プロが切った東を、再び親の友添プロがポン。

一段目から下家ケアとか私ごときに出来ると思ってんですか、麻雀の神様(;ω;)

ダブ東鳴いて、ドラ2持ってた友添プロが3副露で4センチシャンポン聴牌。

しかし直後、高め三色の聴牌を入れていた田内プロが安めをツモアガリ、自摸ドラ1の500/1000は700/1200。

東2局 ドラ5p

友添55600  田内23000  サイコロ21700  玉利19700

一七③⑦⑦⑧⑨125南發發 ツモ北

出た、落ち目名物「配牌四向聴」!

しかし今こうして改めて見て思うのは、役牌のトイツもあって、ドラ色の数牌が一番多くあって、くっつき用の浮き牌も先尖牌だし、仕上がるかはともかくとしても、筒子に染めれば良かったなぁ…。

7巡目、サイコロプロの仕掛けが入った直後、

七八⑦⑧⑨123457發發 ツモ8s

絶好の8sビキで、チャンタ三色の一向聴へ。

そして次巡、ツモ9sで聴牌。ダマでひっそり9mを拾ってとかやってる場合じゃないんで、4s切ってリーチ!リーヅモチャンタ三色の跳満狙い1点張り!

しかし気分としては、「上家の仕掛けで絶好の8s9sビキでのこの仕上がり具合。こんなもん一発ツモで裏も乗せての4000/8000コースやろが!」と高まりまくりまクリスティー!

しかし一発目にひいてきた牌は、4p。圧倒的無駄ツモ!!!

12巡目、安めツモ6m。リーヅモアガってる場合でもないんで、当然ここはツモ切って、残り6回のツモで跳満を目指す!

が、ドラの5pを持ってきて、サブっとツモ切ったその牌に、サイコロプロからポンの声。一方こちらはフリテンの6-9m……終わったw

と、肝を冷やしたが、友添プロがサイコロプロからタンヤオドラ1をダマで出アガリ、2600点の脇移動。

東3局 ドラ7s

友添59200  田内23000  サイコロ19100  玉利18700

5巡目に友添プロが平和聴牌を入れ、6巡目に田内プロがツモ切った9pで出アガリ。1000点横移動。

東4局 ドラ4p

友添60200  田内22000  サイコロ19100  玉利18700

7巡目、七対子の一向聴。5s5s7mとひけば、MAXタンピン二盃口のニ向聴。

しかし同7巡目、役牌暗刻の友添プロに聴牌が入る。

その後、田内プロからリーチが掛かり、現物の6s切ったところで、友添プロのヤミテンへ放銃。役牌ドラ1の2600。

南1局 ドラ西

友添63800  田内22000  サイコロ19100  玉利16100


サイコロプロが中ポンの仕掛け。2枚目の中出し、ドラの西も場に2枚切れてるし、普段から仕掛けの多いプレイヤーなだけに、この段階ではまぁあんま気に掛けてはいなかった。


しかし役牌を仕掛けた後に、手出しの2sトイツ落とし。そして三元牌の2つ目の副露が入った。


ツモ5mで聴牌したが、上家の三元牌2副露、2sトイツ落とし、最終手出し4pを受けて、この聴牌で5pを切ることは私には出来なかった。

2sと6sビキで一気通貫、リーチを掛けてツモアガれれば満貫手となるが、2sは既に場に3枚切れ、6sも1枚切れ。2sは友添プロorツモ山or王牌、6sは友添プロor田内プロorツモ山or王牌、この可能性の中で、ツモ山残っている且つ、自分のツモ筋に眠っているという確率。とてもこの手を満貫の一向聴だとは思えなかった。

崖っぷちだと、いや既にもう崖から転がり落ちてる最中だという危機感に欠けていたということなのだろうか。

数々のタイトルを獲得してきた最高位に「この期に及んで打ちづらいとか言ってたら絶対優勝できないわ…」とまで言われた今でも。改めてこうやって見てみてこの手で5pに手を掛ける覚悟が持てない…。


この半荘の結果は、サイコロプロの8pツモアガリによる1600/3200で決着。

この結果はまぁ仕方無いにしても、結果的に2sや6sをひくことは無かったにせよ、ここで5pを切って戦う意志を場に示せていれば、今後の戦いにおいて何かを変えれていたのかもしれない。例えこの半荘もラスで、惨敗に終わったとしても、「よく頑張ったよ…」と言って貰えるプレイヤーになれていたかもしれない。

勝つ理由が無かったと思いながらも、負けて悔しいのは何故だ…。

中途半端だ、ボクは…。

南2局 ドラ北

友添60600  田内19400  サイコロ25500  玉利14500

9巡目、親の田内プロの仕掛けが入り、欲しかった3mビキ

ニニニ四六七23③④⑥⑦⑧

手牌セオリーではタンピンを確定させる2s3s落としといくのだろうが、メンタンピン三色ツモの跳満が欲しい私は6m7m落とし。

そして11巡目、4sビキで理想的聴牌。タンピン高め三色の2-5p待ち。勿論リーチ!

しかし高め2pは場に2枚、友添プロの手に2枚で山0…。

安め5pはツモれたものの、裏無しの1300/2600。

南3局 ドラ6s

友添59300  田内16800  サイコロ24200  玉利19700

9巡目、親番サイコロプロから3-6-9p待ちのリーチが掛かり、12巡目に最高目6pをツモアガっての裏1乗って、6000オール。

南3局1本場 ドラ5m

友添53300  田内10800  サイコロ42200  玉利13700

ホンイツに寄せて白ポンと仕掛けるも、直後に田内プロからリーチが掛かり萎え模様。

そしてこのリーチに、リスクの前倒しでこの半荘のトップを取って優勝を決めに前に出たサイコロプロが捕まり、メンピンオモウラの満貫放銃。

南4局 ドラ9p

友添53300  田内19100  サイコロ33900  玉利13700

索子っぽい手牌にホンイツを意識して手組みするも全然進まない。形式聴牌も意識して、萬子のターツを残すも、全く面子が出来ない。

イッツーの形を作り、仕掛け準備OKだが、2段目を終えても未だ0面子の三向聴。嵌張4つのね…。

終盤、田内プロからリーチが入る中、2副露入れて、まだ嵌張2つの一向聴。

結局そこまでで、ノーテン親落とし。田内プロの一人聴牌で流局。

4回戦結果

友添52300  
太郎32900
田内21100
玉利12700

4ラス(゜―゜)

4回戦を終えてのトータルポイント

太郎 +95,9

友添 +68,3pt

田内 +17,1pt

供託 +1,0pt

玉利 -182,3pt

(※ここから先はBGMにアメイジング・グレイスを流しながらお読みください。)

貴方が持ち合わせた力に余る強さなど、人生は要求しない。

貴方にたて得るただひとつの手柄は、そこから逃げないことだ。

■5回戦

最終5回戦を迎えるにあたってある一つの覚悟を決めなければいけなかった。

親番がある限り可能性は無限大…と言ってみたところで、現実的に1半荘で300pt近い差を捲るなんてことが厳しいことは誰もが分かっている。最終戦はトータルトップの者がラス親の席と決まっていた為、最終5回戦の起家は私。南2局を迎えたところで、私は“目無し君”となることだろう。

役満ツモ条件があるなら役満を目指せばいい。役満直条件があるなら役満直を目指せばいい。しかし、条件が残っていない者は、一体何を目指せばいいのだろうか。

映像対局などでよくある考え方としては、鳴かせない、放銃しない、アガリに向かわない、といった“3ない”行動をするのが良しとされている。

恐らくそれがマジョリティだし、無難にそうしておくことこそが一番批難も受けづらく、自らを守る上でも精神衛生的にも一番良いだろう。

しかし、その“対局”にとって、“麻雀”にとって、それが一番良い行為と言えるのだろうか?

自分が切った牌で鳴かれることによって出た結果、自分の切った牌が放銃となって出た結果、自分がアガることで出た結果、それらは分かり易く場への影響が見て取れる分、“場に影響を与えた感”が自分自身にも周りにも一番感じられる行為となるが、果たしてそれだけが“場に影響を与える”という行為なのだろうか?

麻雀の対局は、4人で作り上げる作品である。アガリに向かわないことで生まれた結果、手を進めないことで自らが放銃を回避したことによって生まれた結果、自分が鳴かせないことによって生まれた結果、それらは結果との繋がりが直接的に見えにくい分、場に影響を与えていない行為とされがちだが、私にはそうは思えなかった。

卓に就く以上、必ず結果には何かしらの影響を与える。それが麻雀というゲームだ。

自分が何もしないということは、下家ケアを気にしなくていい分、上家には有利に働く可能性が高いだろう。

自分がアガリに向かわないということは、トータル3着目で並びを作りたい人間にとって、不都合な行為だろう。

自分が鳴かせないとすることは、下家に位置する者が一番不利を被り易いだろう。

全てはその時の手牌次第なので一概には言えないが、“3ない”行動をするということは、その時点で誰に不利を与え、誰に有利に働くのかがある程度みえている分、自分の麻雀観においてどうしても抵抗があった。

自分のとった行動が誰に有利に働き、誰に不利に働くにせよ、そのベクトルは対局の中で決まるものでありたかった。

なのでこの最終戦もここまでの4回戦と同様に、ヘンテコな手順で手役を狙いつつ、ダメそうなら妥協案も考えつつ、後手を踏んだら降りて、終盤安全に形式聴牌を取れそうならば動いてみて、そんな下手糞なりに一生懸命な麻雀を最後まで打ち切ることが、麻雀に対しても対局相手に対しても自分に出来る精一杯の誠意だと思った。

マジョリティな考え方でない分、「目無しが邪魔してんじゃねぇ!」といった類の批判的意見を受けるだろうが、卓に就く以上は絶対に誰かしらの邪魔をする。そういった意見を受けるのも全ては目無しになったここまで4回戦の麻雀の結果。つまり全ては自分の責任。これからも競技者を続けていく以上、そこからは逃げてはいけない。苦しさも批難も全て受け止める。そんな覚悟を持って最終戦の卓へと就いた…つもりだった。

しかし、刻々と1局1局の結果が生まれる中で、心苦しさを感じなかったといったら嘘になる。逃げ出したい気持ちにならなかったと言ったら嘘になる。結局は、本当の意味での覚悟など出来ていなかったのかもしれない。

オーラス。

2巡目。

三三八①②②③⑦⑧57東南 ツモ九

まぁいつもの悠長な自分の手組みならチャンタ三色っぽい感じに進めるのかな?と雀頭を3mとすることはないはずなので、3mに手をかけた。

その3mを、下家の友添プロが少考後、チー。

チャンタなのか、三色なのか、イッツーなのか、役牌バックなのか。
迷ったということは、役牌暗刻のケースでは無さそうだが、自分の手牌がチャンタ寄りなだけに、この下家のチャンタ仕掛けに何を切っていけばいいのだろうか?

役牌バックも想定すると、現物以外は全て鳴かれる可能性はある。現物は8sと4sのたった2種。

もはやこういう時、普段の自分ならどうしていたのかすら分からなくなっていた。

心が揺れに揺れている私には、もはやこの動きが入った状況で手を進める選択肢は見えなかった。

「頼む、鳴かないでくれ…」と祈るようにもう一枚3mを河に置き、次巡重なった7pをこれまた2枚落としへとツモ切るが下家から掛かる、チーの声。

絶望しかない中で、次にどの牌に手を掛けるのか。中張牌の5sはいよいよの時まで残しておきたかった。

とそこに、跳ツモ満直条件の田内プロからドラの1p切りリーチが掛かる。

そして直後、サイコロプロからも追いかけリーチが入る。

まだ序盤。共通安全牌も少ない中で、この四面楚歌。自らの麻雀が招いた結果、その状況とはいえ、目無しとはかくも苦しいものなのか。

友添プロも降りに回り、なんとか現物も出来てきて、降りきれるかな?といったところでの田内プロから発せられるツモの声。

立直 門前清自摸和 平和 三色同順 ドラ1

優勝を争う3者の中で一番苦しい跳満ツモ条件を見事クリアし、田内プロが第1回ヴェストワンカップ優勝の栄冠を手にした。、

その開けられた手を見た瞬間、「素晴らしい…」とサイコロプロから感嘆の声がこぼれた。

最終戦を迎えた段階で一番優勝に近かったサイコロ太郎プロが負けて一番悔しいはずなのに、こういった言葉が心の底から出るって、本当にステキな人だな…と思った。

そして最後一番優勝に近い位置から捲られ激しく悔しいはずの友添プロも、対局終了の挨拶後に笑顔で田内プロに話しかけている姿を見て、全力でぶつかり合った者同士だからこそ、こうやって3人はお互いを認め合うことが出来るんだろうなぁ~となんだかホッコリした気分になった。

ニコニコ生放送で配信された対局を改めて見直し、対局中に感じた以上に、相手の強さを知ることが出来た。

来年とは言えない。3年後…いや5年後、またこの舞台へ戻って来れるよう、そしてその時は自分自身の麻雀に自信を持って最後まで戦い切れるよう、しっかりとした雀力を身に付けよう。そう思った。

そしてその想いこそが、沢山の弱さや未熟さを晒しながらこのヴェストワンカップという大会で自分が勝ち得た一番の財産だった。、

駄文な上に無駄に長々と書いてしまったこの文章に最後までお付き合い下さった方がいらっしゃいましたら、心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございます。

最後の最後にオマケで、自戦記の中で何か使おうと思ったけど結局使うことのなかった、私なりにまとめたヴェストワンカップ決勝全5回戦のデータ(間違ってたらスイマセンw)を載せてお別れしたいと思います。

これ見て「へぇ~」とでも思って貰えれば、これ幸い。

◇立直率
田内 24,61%
友添 15,38%
太郎 23,07%
玉利 18,46%

◇立直成功率
田内 62,5%
友添 50,0%
太郎 60,0%
玉利 41,6%

◇和了率
田内 18,46%
友添 26,15%
太郎 26,15%
玉利 10,76%

◇平均和了点 (※供託収入は含まない)
田内 7446,66点
友添 5588,23点
太郎 6076,47点
玉利 5657,14点

◇放銃率
田内 12,30%
友添  6,15%
太郎  7,69%
玉利  6,15%

◇平均放銃点
田内 2662点
友添 2925点
太郎 6080点
玉利 4525点

◇副露率
田内 15,38%
友添 38,46%
太郎 30,76%
玉利 21,53%

◇流局時聴牌率
田内 41,66%
友添 58,33%
太郎 58,33%
玉利 25,00%

◇罰符収支
田内 -1000点
友添 +4000点
太郎 +6000点
玉利 -9000点

◇着順
田内 2着-2着-2着-3着-1着
友添 1着-3着-3着-1着-3着
太郎 3着-1着-1着-2着-4着
玉利 4着-4着-4着-4着-2着

◇ウマ収支
田内 +50
友添 +30
太郎 +30
玉利 -110pt

◇最終スコア
田内 +60,9
友添 +58,3
太郎 +46,7
玉利 -166,9


優勝  田内 翼 (日本プロ麻雀協会)

WEST ONE CUP